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放送教育ネットワーク




公開授業・幸小学校

認め合い、高め合い、伝え合う幸小の子どもをめざして

東京都立川市立幸小学校教諭 毛塚洋一

本校では、平成14年度、15年度の2年間「自分の考えをもち、主体的に学ぶ児童の育成」という主題を設定し、国語科の「話すこと・聞くこと」の活動を中心に研究を進めてきました。今年度は昨年度までの研究主題を継続しながら、国語科で培ってきた力を他の教科・領域に生かすことをねらいとして研究を進めています。特に今年度は、児童の伝え合う力を高めていくために、その手だてとしてNHKの学校放送番組を利用しています。
学校放送番組については、利用経験はあっても研究の経験のあるものは皆無で、ほとんどゼロからのスタートといってもいい状態でした。そんな中で試行錯誤しながら迎えた全国大会でした。

(1)公開授業
すべての学級で公開授業を行いました。

二人で組んで対話の練習。うれしかったことや親切にされたことを互いに伝え合います。
1年・国語『はじめてのこくご ことばあ!・ありがとうのプレゼント』

自分たちで調べたことをパソコンを使ってガイドブックにまとめます。
4年・総合的な学習の時間『しらべてまとめて伝えよう~メディア入門~・おみせのガイドブックをつくろう』

「どんなお米料理が好きですか?」と参観の先生にインタビューをする5年生。
5年・総合的な学習の時間『おこめ・現代おこめ事情』

(2)研究を振り返って
大会を終え、一段落ついたところで校内研究をしている教員から意見を出してもらいました。その中で、今年度学校放送番組を利用して研究を進めたことについて次のような意見が出されました。
 ・ 学校放送を見直す機会になった。
 ・ 番組を利用することで、聞くこと・話すことの基本的な学習の仕方が身についた。
 ・ 視聴を通して登場人物の行動や気持ちに共感したり、批判したりする力が身についてきた。学級生活の中に学んだことが生かされていて、その成長がうかがわれるようになってきた。
 ・ 放送を使っての授業のやり方、見せ方や見せるタイミング、パソコンを使ってのまとめ方などがわかり児童は楽しく学習できていた。

今回の研究は分科会中心に進めたこともあり、1年生から6年生までの6年間の系統性を考えるうえではまだまだ解決していかなければならない課題も多く残ります。しかし、児童も教員も放送教育の魅力にふれたことで、授業のあり方について新しい視点をもつことができたというのが一番の成果だったように思います。今回の経験を生かして、より充実した授業作りを目指していきたいと思います。


番組研究交流会

確かな学力の育成をめざした番組とデジタル教材の活用
~NHK学校放送5年社会科番組『日本とことん見聞録』及び番組Webの活用を通して~

東京都杉並区立浜田山小学校教諭 小林亜希子

(1)研究のねらい
この研究のねらいは、5年社会科番組『日本とことん見聞録』と番組Webを活用した実践を通して確かな学力の育成をめざすことにある。

(2)確かな学力のとらえ方

私は、「知識を得て、それをもとに自分で問題解決をし、そこから自分の考えをもつ」ことを繰り返す中で身に付いていくと考えている。

(3)デジタル化対応プロジェクトにおける5実践より
『日本とことん見聞録』第6回放送「めぐりゆく食べ物」と、それに関連する番組Webを使って5人の実践者が児童の実態・教師の教材観・情報機器の環境をふまえて学習過程を考えた。その際、その1時間においてねらいの重点をそれぞれ決めた。
その中でも私が本時として、知識・理解に重点を置いた一斉授業の展開を考えたのには二つの理由がある。一つは、知識・理解を土台として本時でしっかり力をつけ、次の時間から自ら考える思考・判断の力をつけたかったからである。もう一つは、情報機器の環境を考えると、デジタル教材を利用した個別の調べ学習が難しいと考えたからである。

(4)実践の概要

単元名「私たちの食料生産」

〈目標〉宅配便を利用して、新鮮な魚を安全に確実に早く消費者に届ける工夫についてわかる。
  学 習 活 動 メディア 留 意 点
つかむ
5分
家庭での魚調査「魚ッチャーになろう!」より魚を選ぶときのポイントランキングの発表をする。(1位から3位まで)   ○好きな魚、料理法、買うときの決め手の3つを予想させて関心を持たせ、発表する。
予想する
5分
魚を新鮮なまま届ける工夫について考えよう。

「冷蔵庫で運んでいると思う」
「飛行機だと早いかな」
「船でとってそのまま船で運ぶ」
「お米の時みたいに鉄道や高速道路を使うんじゃないかな」
「早く届けないと色が悪くなっちゃうからお米より急ぐと思う」
  ○新鮮な魚を食べていること、その魚は遠くの漁港でとれたものでもおいしく食べていることから考えさせる。
○米の輸送なども思い起こさせる。
広げる
視聴
12分
(前半)
・『日本とことん見聞録・めぐりゆく食べ物』を視聴する。
・視聴カードに、新鮮な魚を安全に確実に消費者に届けるまでのしくみについて気づいたことを書く。
テレビ視聴
(12分)
視聴カード
○視聴カードに記入しながら視聴する。
まとめ
20分


視聴
3分
・視聴カードにしたがって、新鮮な魚を届ける工夫、宅配便を安全に確実に届ける工夫について発表しまとめる。
・魚屋さんやスーパーから消費者が魚を手に入れることもおさえる。
・『輸入されるウナギ』のクリップを見て海外から飛行機で運ばれてくる例を知る。
・トラック輸送の問題点とその解決策について視聴する。
・次時への予告をする。

いか

クリップ

テレビ視聴
(3分)
○他にもいろいろな経路で家庭に届くことをおさえる。

〈評価〉魚を新鮮なまま早く確実に消費者に届けるまでのしくみや工夫についてわかったか。(知識・理解)

(5)授業を終えて
・生産者と消費者を結ぶ運輸の働きについての理解が深まった。
・番組は、輸送のしくみや課題をわかりやすく示していたので、子どもたちにとって理解がしやすかった。
・クリップを活用することにより、流通に対する見方や考え方が広がった。
上記の3点により、生産者と消費者のつながりをとらえられたことで、「これからの食料生産のあり方について」の話し合いが深まった。

(6)これからの課題
教師の指示による番組やクリップの有効な活用の仕方のほかにも、いろいろな活用の仕方を考え、より子どもの学びが深まり、確かな学力の育成に結びつくようにしていきたい。


実践研究交流会

学校放送番組を活用し、進んで学習に取り組む児童の育成
~「流れる水のはたらき」の実践を通して~

愛知県名古屋市立平針小学校教諭 辻村 忍

 はじめに
学校放送番組を視聴すると、視聴したことで満足する児童や印象深い場面だけを視聴する児童、解説やせりふを中心に視聴する児童、人物の行動を中心に視聴する児童など、いろいろな児童の姿が見られる。
本年度担当する5年生でも、学校放送番組5年理科『サイエンス・ゴーゴー』を丸ごと視聴し、興味・関心を高めて進んで学習に取り組んでほしいと実践を進めた。しかし、学校放送番組を丸ごと視聴したことで、児童は学習内容が全部わかったような気になる「半わかり」状態で満足し、進んで学習に取り組めない児童の姿が多く見られた。
そのため、分断視聴しながら、学校放送番組の内容を的確に児童がとらえ、「半わかり」状態から学習のめあてをもつきっかけにする。これにより、学習に対して興味・関心を高めて、進んで学習に取り組む児童を育成していこうと考えた。

(1)実践の内容
流 れ る 水 の は た ら き
活用する学校放送番組名「第9回 水が地形をかえる」<分断視聴>

学校放送番組を分断視聴しながら、番組内で行われる実験について生活経験をもとに自分なりの予想を立てながら視聴する。視聴後、自分たちで流水実験を行い、学校放送番組の内容と実験の内容を対比し、川の流れをとらえるようにする。
第9回放送の「水が地形をかえる」では、一つ一つの実験が関連付けながら展開されていく構成になっている。そこで、実験ごとに今までの経験の気付きを発表させたり予想させたりしながら分断視聴をして、流れる水のはたらきについて学習を進めることにした。
なお、今回の学校放送番組を視聴する前に、雨天時の運動場にできた雨水の流れを観察し、学級全体での共通な体験をした。
番組の内容 児 童 の 様 子
斜面になっている砂地で、水の流れをつくり、水の流れが地形を変える様子を観察する実験
雨天の運動場にできた水の流れを観察したことを想起し、流れる水が地面を削ることを確認し、観察したときに気付いたことを発表する。
<児童の発表>
・水の流れの速さの違いで地面の削られ方が違う。
・水の流れが曲がった場所は地面がよく削られている。
・水の流れる幅がだんだん広くなっている。
・水の流れている場所によって、水の深さが違う。
斜面にS字型に曲げた溝を掘って水を流し、その様子を観察する実験
水の流れが曲がった場所に注目し、どのような結果になるかを予想する。このとき、雨天の運動場や今までの経験をもとに自分なりの予想を発表する。
<児童の予想>
・流れが曲がった場所の外側が削られる。
・曲がった場所の外側が削られて、外に大きく膨らむ。
・上の方の曲がった場所の内側が削られて、まっすぐ流れるようになる。
流れが曲がっている場所の内側と外側の流れの速さの違いを調べる実験
雨天の運動場で水の流れを観察したことを想起し、水の流れが速いのは、外側か内側かを予想する。
<児童の予想>
・運動場で葉っぱを流したとき、外側の方が流れが速かったので、外側が速いと
思う。
・見た感じだと外側の方が深くなっていて、流れが速そうに見える。
・距離が短いから、そんなに変わらないと思う。
同じ水の量で流れる速さを変えたとき、石を運ぶ力の違いを調べる実験
同じ量の水で傾きを変えて水の流れの速さを変えていること、大きさの違う3種類の石(赤<白<ねずみ色)が使われていることを確認する。
<実験結果>
流れが速いとき…赤・白・ねずみ色の3種類の石
流れが遅いとき…赤色の石のみ
同じ水の量でも、水の流れが速いと石を運ぶ力が強くなり、水の流れが遅いと石を運ぶ力が弱いことに気付いた。


溝の底の様子を調べる児童
それぞれの実験ごとに学校放送番組を分断視聴した後、わかったことや調べてみたいことを記録させた。
ほとんどの児童の視聴ノートには、水の流れの曲がった場所では、外側の方が水の流れは速い、という内容の記述があった。だが、「曲がった場所では、水の流れが速くなる。」と記述した児童もいた。そこで、このように記述した児童に対して、自分たちで行う流水実験のときに、曲がった場所の外側と内側の流れを対比させていることを強調することにした。
また、流水実験の当日、上流と下流の水の濁り方の違いを調べたいという児童が、ビーカーにそれぞれの水を採り観察し、水に混ざっている土の粒の大きさが違うことに気付いた。
さらに、実験の予想を発表したとき、「見た感じだと外側の方が深くなっていて、流れが速そうに見える」と発表した児童は、水の流れの速さによって底の様子が違うことに気付き、実際に手で感触を確かめていた。

(2)おわりに
学校放送番組を分断視聴しながら実験方法や内容を確認したり、生活経験をもとに予想を立てながら視聴することで、実験のつながりに気付くことができたようである。また、それぞれの実験内容に対して新たなめあてをもつことができたため、自分のめあてを明らかにするための流水実験では、流す水の量を変えたり、流れの曲がり方を変えたり、溝の幅を変えたりする児童の姿が見られた。
学校放送番組を部分視聴し、その内容を的確に児童がとらえることができることで、「半わかり」状態から自ら進んで学習のめあてをもつきっかけとし、児童の学習に対して興味・関心を高めることができた。
今後も、学校放送番組を活用し、児童の興味・関心を高めながら、児童が進んで学習に取り組むことができる学習過程を考え、実践していきたい。

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